これは、コン・ユという主演男優が韓国の人気TVドラマに主演した人で、アイドル的な人気の人らしいです。

それを知らずに行った私は、この男優に変な先入観を持たずに、映画に入れたのでむしろラッキーでした。
題名の「トガニ」とは、「坩堝(るつぼ)」という意味で、まさにこの映画にぴったりです。
ストーリーは、障害者の学校での様々な「虐待」を、主演の新米教師コン・ユが告発してゆくというものだが、日本ではR18指定となっただけあって、その虐待の表現が鬼気迫るものがあります。
正直、観ていて気分が悪くなるくらいの、シーンの連続です。
実際に起こった事件であり、最終的に法廷闘争となったこの話に、観客が望む形での結末は訪れません。
ただ、エンドロールの直前に入る日本語テロップに、少しだけ救われました。

惜しむらくは、せっかくの大役なのに、コン・ユというこの俳優が、目を見張るような演技をしていなかったこと。
もうひとつ気になるのは、悪役の皆さんの今後です。彼らの演技はすばらしく、それだけに観終わった人は、全員彼らを心の底から憎みました。今後、どんな役ができるんだろう?などと、気になってしまいました。
辛い辛い映画ですが、最後の救いも含めて、観て損はないと思います。