2013年07月02日

三世代住宅のむずかしさ

三世代住宅を建築していただいたOB顧客A様のご紹介で、ご親せきのお宅のプランニングのご依頼をいただきました。
OB顧客A様の三世代のご家族構成は、<A様のお母様(当時60代)+A様ご夫婦+お子様2人(当時2歳)=計6人>。
A様の奥様とA様のお母様の、「嫁姑関係」も良好で、お母様はお友達や兄弟と旅行に出かけたりする、活動的で明るい性格で、お子さんも当時はまだ2歳とかわいい盛りでした。
これに対し、今回計画させていただくS様のご家族構成は、<S様のお父様(80代)・S様ご夫婦・お子様1人(21歳女性)>というものです。
計画に当たり、10日ほど前にご希望等をヒアリングさせていただきました。この打ち合わせで発言されるのはほとんど建築費をすべて負担する予定のお父様のみで、少し心配にはなったんですが、息子の嫁であるS様の奥様も同席の上でのヒアリングだったので、プランニングに入るためのご家族の情報は、ほぼお聞きできました。

三世代住宅のむずかしさ

そして本日、日当たりや通風の可能性を探る2回目の敷地調査を現地で行っていると、家からS様の奥様が出てこられて、「ちょっとちょっと」とお義父様の目を避けるように私を呼びました。
奥様は、お義父様かrア見えないような位置に私を連れて行き、先日のヒアリング時に言えなかったことなどをお話ししてくださいました。
その内容は、この3点でした。
①お父様の部屋と家族全員が集まるリビングとの間に少しの距離感がほしい。
②自分たち夫婦+娘さんにも、寝室以外にくつろげる居室がほしい。
③お父様の部屋と、風呂トイレなどの水回りを近くに配置してほしい。

③はともかくとして、①も②もいわば義理の父親と、少し離れている時間が欲しいという内容なので、先日のヒアリングでは言いにくい内容だったんでしょう。しかし、これが奥様の本音です。

80歳になるお父様は裏表のない明るい性格の方で、誰とでも気さくに会話する方。S様の奥様も比較的会話が上手な社交的な性格なんですが、お父様がいるときはほぼ聞き役に回っているようです。打ち合わせでお邪魔しても、昔の話などで私たちを笑わせてくれるのは、お父様でした。

私たち外部の者たちにとって気さくで面白いおっちゃん(笑)だとしても、同じ屋根の下での暮らしとなったらどうでしょう?我々にとってもかなりデリケートな話です。

生活を分完全に離した二世帯住宅ならまだしも、親世代の夫婦どちらかだけとともに暮らす三世代同居住宅のプランニングは、それぞれの性格や生活時間帯などによって、全く違う形になる可能性があります。
重要なことは、どんな形であれ各世代の本音をお話しいただき、必要であればそれぞれ個別に打ち合わせを重ねてゆき、最終的に一つのプランに集結することだと思います。
もしも皆さんが我々に本音を伝えてくれず、主だった誰かの意見だけで設計が進んでいくと、最後の最後に大きな後悔をすることになると思います。



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