日本の住宅の流通耐用年数に関しては、私も短すぎると思っていましたので、この動き自体は大歓迎です。

政府は、欧米各国に比べて極端に短い、日本の中古住宅の流通耐用年数を、欧米並みに引き上げたいという思惑と、中古住宅流通市場をやはり欧米並みに活性化したいという考えから、ここ数年、「いい家を造って、長く住む」ということを、盛んに啓蒙してきました。
ただし、一方ではこの国には深刻な「空室率の増加」 (家余り) という問題もあります。
家余りの実態は、あまり報道されていませんが、その半分は賃貸住宅によるものです。
持ち家の方々の、新築・改築工事に対する施策については、政府が次々と打ち出しておりますが、賃貸住宅の家余りを、飛躍的に改善できる可能性のある、「リノベーション」に対する融資制度については、ほとんど手が打たれておりません。

ストック市場の活性化はいいが、本当の意味で良質なストック市場を望むのであれば、今現在とてつもない空室を抱えている、賃貸住宅へのリノベーションローンの拡充も、同時平行で進めてくれなければ、期待しているほどの効果は望めないと思います。